- はじめに
- おしりの痛みは、場所によって異なる?
- このような痛みはありませんか?
- 考えられる疾患・原因
- おしりの痛み・肛門の痛みの検査・治療
- 【症状別】おしりの痛みの対処法
- おしりの痛みの予防法
- 座りっぱなしで起こるおしりの不調
- 最後に
はじめに
おしりや肛門の痛みは、比較的よくみられる症状です。
「ズキズキする」「ヒリヒリしみる」「排便のたびに激痛が走る」「座るだけでもつらい」など、痛みの感じ方は人それぞれです。
原因も、切れ痔や痔核(いぼ痔)といった身近な疾患から、感染症、膿瘍(うみだまり)、まれには腫瘍など重い病気まで多岐にわたります。
「痔だろう」「そのうち治るだろう」と自己判断で様子を見てしまうことが、治療の遅れにつながるケースも少なくありません。
おしり・肛門の痛みは、痛みの“出る場所”や“症状の組み合わせ”によって疑われる病気がある程度絞られます。
正確な診断と適切な治療のため、早めの受診が大切です。
おしりや肛門の痛みは、
場所によって感じ方が異なります
肛門の中がしみる・ ヒリヒリ痛い
→ 切れ痔(裂肛)が疑われます。
肛門の外がズキズキ腫れて痛い
→ 外痔核、血栓性外痔核の可能性があります。
肛門の周囲が熱をもって腫れ、強い拍動痛がある
→ 肛門周囲膿瘍(感染・化膿)の可能性があります。
座っているだけでも常に鈍い痛みがある
→ 骨盤内の筋緊張・うっ血・慢性炎症などが疑われます。
このような痛みはありませんか?
- 排便のたびにナイフで切られるような激痛が走る
- 肛門の外にしこりや腫れができ、触ると強く痛む
- 何もしなくてもズキズキする拍動性の痛みがある
- 座るだけで違和感・痛みが強くなる
- 発熱を伴う肛門痛がある
- 市販薬を使っても痛みが改善しない
これらが当てはまる場合、
早めに肛門科・消化器科を受診してください。
考えられる疾患・原因
腫れのない痛みの場合
主に、肛門の内側に原因があるケースです。
裂肛(切れ痔)
排便時に肛門の皮膚が裂けて起こります。
硬い便や便秘が原因となり、排便時に鋭い痛みが生じます。
悪化すると慢性化し、潰瘍や狭窄(肛門が狭くなる)を起こします。
肛門周囲の慢性炎症
長時間の座位やうっ血が続くことで、違和感や鈍痛を感じることがあります。
腫れて痛い場合
肛門の外や周囲が腫れて痛むケースです。
血栓性外痔核
肛門の血管内に血の塊(血栓)ができ、急激に強い痛みと腫れを生じます。
突然発症し、座るのもつらくなることがあります。
肛門周囲膿瘍
細菌感染によってうみがたまる病気です。
強いズキズキした痛み、赤く腫れる、熱を持つ、発熱を伴うことがあります。
放置すると痔ろうへ進行するため、早期処置が必要です。
注意すべきその他の疾患
- クローン病
- 性感染症(梅毒・ヘルペスなど)
- 肛門部腫瘍
- 直腸がん
痛みが続く場合や、出血・発熱・体調不良を伴う場合には、必ず専門医の診察を受けてください。
おしりの痛み・
肛門の痛みの検査・治療
治療
保存的治療
- 軟膏・坐薬の処方
- 痛み止め・抗生剤
- 排便コントロール(便をやわらかくする内服薬)
処置・手術
- 血栓切開
- 膿瘍の切開排膿
- 痔核治療(輪ゴム結紮法など)
【症状別】おしりの痛み・
肛門の痛みの対処法
痛み+脱出・外側の腫れがある
→ 外痔核・いぼ痔の可能性があります
- 無理に押し戻さない
- 座位時間を減らす
- 入浴で温める
- 早めに受診
排便時に裂けるような痛み
→ 切れ痔の可能性があります
- 便をやわらかくする(食事改善・内服)
- 肛門用軟膏の使用
- 早期受診で慢性化を防止
周囲が腫れて熱をもちズキズキする
→ 肛門周囲膿瘍の疑いがあります
緊急受診が必要です。
自然治癒はほぼ期待できず、切開処置が必要となります。
おしりの痛み・
肛門の痛みの予防法
日常生活でできる予防
- 便秘を防ぐ(食物繊維・水分摂取)
- 排便時、強くいきまない
- 長時間座位を避け、こまめに立ち上がる
- おしりを冷やさない・清潔を保つ
- 入浴で肛門周囲の血流改善
市販薬について
軽い症状では市販の痔用軟膏で一時的に楽になる場合もありますが、
- 数日使っても改善しない
- 痛みが強まる
- 出血や発熱を伴う
これらのような場合は、市販薬に頼らず必ず受診してください。
座りっぱなしで起こる
おしりの不調
なぜ「座りすぎ」はおしりに悪いのか?
長時間座位が続くと、肛門周囲の静脈がうっ血し、
- 痔核(いぼ痔)
- 血栓性外痔核
- 慢性的な肛門痛
のリスクが上昇します。
デスクワーク・長距離運転・動画視聴などで1日6時間以上座り続ける人は、痔の発症率が約2倍になるという報告もあります。
予防のポイント
- 30〜60分おきに立ち上がる
- 軽いストレッチ
- ドーナツクッションの使用
- 正しい姿勢を保つ
最後に
おしり・肛門の痛みは、決して我慢する症状ではありません。
痛みが出た時点で受診することで、手術せずに治るケースも非常に多く、早く楽になれます。
「恥ずかしいから」「痔だろうから」と放置せず、少しでも不安があれば、お気軽にご相談ください。
当院では、プライバシーを最優先に、丁寧で負担の少ない診療を行っています。

