- いぼ痔(痔核)とは
- いぼ痔の原因
- 内痔核について
- 外痔核・皮垂について
- 嵌頓(かんとん)痔核とは
- いぼ痔の治療・手術
- 切らない治療 ジオン注射(ALTA療法)
- こんな理由で治療をためらっている方へ
- ジオン注射の特徴
- ジオン注射の効果
- ジオン注射の流れ
- ジオン注射のメリット・デメリット
- ジオン注射後の注意点・副作用
- 治療・手術費用
- いぼ痔の予防
いぼ痔(痔核)とは
肛門周囲の静脈叢がうっ血して、腫れてふくらんだ状態を「痔核(じかく)」といいます。
一般に「いぼ痔」と呼ばれるものです。
内痔核
歯状線の内側の痔核で、腫れて飛び出すと痛みが出ます。排便時に出血しやすいのも特徴です。
外痔核
歯状線の外側の痔核で、皮下に出血すると急激に強い痛みとしこりが出現します。
排便習慣や生活習慣によって腫れが強くなると治療が必要になります。
いぼ痔は「誰にでも起こりうる病気」です。恥ずかしさや不安から受診が遅れやすい疾患ですが、適切な治療を行えば日常生活はすぐに取り戻せます。
いぼ痔の原因
- 排便時に強くいきむ癖
(きれい好き・「出し切りたい」タイプに多いです) - 慢性便秘
- 下痢を繰り返す
- 長時間座る仕事
(デスクワーク/ドライバーなどに多いです) - 妊娠・出産
強い腹圧が肛門の血管に負担をかけ、腫れが進行します。
内痔核について
進行度(Goligher分類)
I度
肛門の内側にあります(脱出しない)
II度
排便時に出ますが、自然に戻ります
III度
排便時に出て、指で押さないと戻りません
IV度
常に外に出て戻りません
※手術適応になるのはII度以上の内痔核です。
主な症状
- 排便時の出血
(紙につく、便器が赤く染まる) - 肛門から「何か出てくる」感じ
- 肛門がムズムズする・違和感がある
- すっきりしない残便感
外痔核・皮垂について
主な症状
- 排便後に突然生じた肛門の小豆からソラマメ大のしこり
- 強い痛み、腫れ、熱感
- 押し戻そうとしても、すぐに出てくる
- 腫れが収まったあとも皮膚のひだ(皮垂)が残っている
嵌頓(かんとん)痔核とは
内痔核が外に出たまま戻らなくなり、血流が悪くなって腫れと激しい痛みを起こした状態です。
症状がひどいと粘膜の壊死を招きますので、緊急で還納する必要があります。
クリニックで医師が還納し、症状を鎮めてから治療を行います。
いぼ痔の治療・手術
保存的治療(手術以外)
保存的治療では、以下のような治療を行っていきます。
- 便を柔らかくする薬(酸化マグネシウムなど)
- 座薬・軟膏
急性期に使用する座薬・軟膏にはステロイドが含まれており漠然と長期使用するべきではありません。
その後、2週間をめどにステロイド無のものに切り替えています。
- 排便習慣の改善
排便時の過剰ないきこみをなくすことが大事です。
一度に全部出し切らないで、排便を2~3回に分け肛門に負担をかけないようにします。
また便座に座る際、低い足台を入れて、膝を胸に近づけて排便すると直腸がまっすぐになって、便を出しやすくなります。
和式トイレでしゃがんだ姿勢が最も出しやすくなります。
ジオン注射(ALTA療法)
内痔核に対する4段階注射法による切らない日帰り手術で、当院で最も多く行っている治療です。
結紮切除術
根治性が高い標準的治療です。
術後の痛みがやや強いので、日帰り手術には不向きです。
ジオン注射 + 結紮切除術
内痔核と、外痔核・皮垂が併存する場合内痔核にジオン注射を行い、外痔核・皮垂には結紮切除を一度に行います。
肛門括約筋を丁寧に温存し、排便機能に影響しないよう配慮しています。
いぼ痔の切らない治療
ジオン注射(ALTA療法)
ジオンとは硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸注射液です。
前者はいわゆるミョウバンのことで本薬剤の主成分になります。
痔核に薬剤を注入すると、粘膜下の毛細血管は収縮し、周囲の間質に炎症を引き起こし、組織を器質化させます。
痛みが少なく、出血もほとんど無いため日帰り手術に向いています。
ミョウバンにアレルギーのある方や、授乳中の方は使用できません。
こんな理由で治療を
ためらっていませんか?
- 手術は痛そう…
- 恥ずかしい…
- 忙しくて入院できない…
- 一度治ってもまた再発するのでは…
ジオン注射はこうした不安を解消できる治療法です。
ジオン注射の特徴
治療中の痛みがありません
内痔核は痛みを感じにくい部分にあるため、麻酔は最小限で済みます。
四段階注射法
痔核の深部から浅い層まで「4か所」に分けて丁寧に注入します。
複数の痔核に治療可能
気になる部分をまとめて治療できます。
日帰り手術で入院の必要がない
治療後はそのまま歩いて帰宅できます。
ジオン注射の効果
翌日まで
軽い違和感・張り感が出ます
1ヶ月まで
徐々に腫れが小さくなります
1ヶ月以降
再発しにくい安定した状態なります
ジオン注射の流れ
1初診
診察・検査・説明・同意・手術予約
2前日
下剤内服
3当日
麻酔・手術・30分ほど休んで帰宅
4翌日
問題なければシャワー可・仕事OK
ジオン注射の
メリット・デメリット
メリット
- 痛みが少ない
- 入院不要
- 回復が早い
デメリット
- 外痔核には適応なし
- 大きすぎる痔核では効果が弱いことあり
- 再発する場合がある(約10%)
ジオン注射後の注意点・副作用
- 激しい運動・入浴は数日控えてください
- 当日まれに肛門の違和感・軽い痛みが出ますが、翌日以降、徐々に改善します
- 不安があれば電話対応、必要があれば往診いたします
治療・手術費用
当院では、いぼ痔(痔核)の治療をすべて健康保険適用で行っています。
症状の程度や治療方法、麻酔方法などによって費用に幅がありますが、診察時に 必ず治療前に費用の目安を丁寧にお伝えします のでご安心ください。
3割負担の患者さんの費用目安
ジオン注射(ALTA療法)
約15,000〜25,000円
結紮切除術
(いぼ痔の切除手術)
約25,000〜45,000円
ジオン注射+結紮切除術
約35,000〜60,000円
※上記費用に加えて
初診料 / 再診料
採血 / 心電図などの術前検査料
内服薬 / 座薬などの費用がかかる場合があります。
いぼ痔の予防
生活習慣の改善
- 長時間の座りっぱなしを避け、30分ごとに立ち上がり歩く
- ドーナツ型の座布団を使う
- 冬場はおしりを冷やさないようにする
- お酒や辛い食べ物の摂取をさける
- 食物繊維の多い食品と水分を多く摂取する
排便習慣の改善
- 便意を我慢しない
- トイレは3分以内
- 強く息込まない
- 2~3回に分けて排便する

