「便潜血陽性」を指摘された方へ
健康診断などで「便潜血陽性」と指摘されると、不安に感じる方も多いと思います。しかし、「陽性=がん」という意味ではありません。
血が混じっている原因はさまざまで、大腸ポリープや痔などの良性疾患であることも多くあります。大切なのは、「なぜ血が混じったのか」を正確に調べることです。
便潜血検査の精度
便潜血検査は、ごく少量の血液を検出できる
優れたスクリーニング検査ですが、
100%正確ではありません。
陽性でもがんでない場合
(偽陽性)
陽性でも実際に癌が見つかるのは2~3%です。
陰性でもがんがある場合
(偽陰性)
癌があっても40〜50%は陰性で、半数を見逃してしまいます。
特に出血の少ない早期がんや右側(上行結腸)のがんは、陰性になることもあります。
便潜血陽性と痔の関係
痔が原因で便潜血陽性が出てしまう理由
いぼ痔(内痔核)や切れ痔(裂肛)は、便の通過で粘膜が傷つき、ごく少量の出血を起こすことがあります。この血が便に付着して、便潜血検査で陽性になることがあります。
大腸がんの症状を痔と勘違いすることも
逆に、「痔だと思って放置したら大腸がんだった」というケースも少なくありません。出血の色や量、痛みの有無では見分けがつかないことがあるため、一度は大腸カメラでしっかり確認することが大切です。
便潜血検査が陽性の原因
便潜血が陽性になる病気や状態には、
以下のようなものがあります。
大腸ポリープ
良性でも出血を伴うことがあり、放置するとがん化のリスクがあります。
大腸がん
早期発見が何より重要。初期には無症状のことが多いです。
いぼ痔(内痔核)
排便時に血が付くことがあります。
切れ痔(裂肛)
排便時の痛みとともに鮮血が出ます。
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)
粘血便や腹痛を伴うことがあります。
大腸カメラ検査
(二次検査)の必要性
便潜血が陽性になった場合、最も確実な検査は大腸カメラ(内視鏡検査)です。
カメラで大腸全体を直接観察し、必要に応じてポリープの切除や組織検査を行います。
痛みや不快感が心配な方には、鎮静剤を使った“眠っている間の検査”も可能です。
当院では、経験豊富な専門医が安全・丁寧に検査を行います。
便潜血陽性と痔の治療法
便潜血が陽性になる原因のひとつに「痔(じ)」があります。
特にいぼ痔(内痔核)や切れ痔(裂肛)は、排便時にわずかに出血し、その血が便に付着して便潜血検査で陽性となることがあります。
しかし、「痔のせいだろう」と自己判断するのは危険です。
痔と大腸の病気は症状が似ており、同時に存在することもあります。
まずは大腸カメラで、大腸の出血源がないかを確認することが第一歩です。
痔が原因と分かった場合の治療
出血の原因が痔と確認できた場合は、症状の程度に応じて次のような治療を行います。
保存療法(軽症~中等症)
- 排便習慣の改善(便秘・下痢のコントロール)
- 食物繊維・水分摂取の増加
- 肛門周囲の清潔保持(シャワー洗浄・温水洗浄便座の正しい使い方)
- 痔用座薬・軟膏の使用
これらで多くの軽症例は改善します。
日帰り手術(再発・出血を繰り返す場合)
当クリニックでは、
- 内痔核硬化療法(ALTA療法)
- 結紮切除術(根治術)
を日帰りで行っています。
局所麻酔や脊椎麻酔下で行い、痛みを最小限に抑えた治療が可能です。
裂肛(切れ痔)の場合
便通の改善・軟膏治療が基本になります。
慢性化して肛門が狭くなっている場合は、側方内括約筋切開術(LSIS)や肛門形成術(SSG) を行うことがあります。
治療の目的
痔の治療は「出血を止める」「痛みを軽くする」だけでなく、便潜血の原因を明らかにして、将来の大腸疾患を見逃さないことが目的です。
便潜血陽性が痔によるものでも、放置せず、大腸カメラ+痔の診察の両方を受けることが、もっとも安全で確実です。
便潜血「陰性」でも大腸がんが
生じていることもあります
便潜血検査が陰性でも大腸がんがある場合があります。
特に右側の大腸がんは出血しにくく、便に血が混じらないこともあります。
40歳を過ぎたら、症状がなくても5年に1度の大腸カメラをおすすめします。
ご不安や迷いがある方は、どうぞお気軽に「錦糸町 おしりとおなかのクリニック」へご相談ください。
「痔かもしれない」も「念のため調べたい」も、すべて大切な第一歩です。

